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内田栄治さん。
銀座のオフィスでIT関係の仕事に就きながら、ファッションとクルマが大好きで、自らトーク・ショーまで企画して開催してしまうほどの、筋金入りの好きもの。今回のパートナーとして選ばれたのが、写真家・小川義文。ちょうど1年前に発売された自動車写真集を読み解く、貴重な時間となった。

自動車写真集「小川義文 自動車」が発売されたのがちょうど1年ほど前。これまで自動車写真家として撮影してきた自身の写真の中から29台の車種の写真をセレクトし、186ページに構成したもの。中にはフィルム時代の作品も多く収蔵され、当時の撮影秘話も多く聞くことができ、この日参加した多くのカメラマンも興味深いトークとなった。
もともとイギリス車とイギリスファッションの好きな内田さん、お気に入りのジャガーも登場し、霧に煙る軽井沢の落葉松林で撮影された大判フィルム(4✕5)の写真には、今にも動き出そうとするジャガーMk2のエンジン音まで聞こえてきそうなその瞬間を感じられた。(内田さんが現在お乗りのジャガーはXJSコンバーチブル。)

トーク・ショーの前に、ムービーも上映し、自動車写真を撮るポイントのレクチャーも行われ、写真好きの参加者にとってはさながらワークショップのような貴重な内容となった。


小川さんが本格的に自動車写真を撮るようになったきっかけは、1984年に創刊された自動車雑誌NAVI初代編集長、大川氏との出会いだった。この日参加していた大川さんも最後に、編集と写真家の関係は同士のようなものと語ってくれた。
と言うのは、大川さんからいつも難解なテーマを与えられ、言葉があってそこから何を表現したいのかを考えるようになった。それが小川義文らしい写真の世界観を作らせることになったのだと思うと語ったことへのアンサーとして、今になって初めて語る大川さんの当時の思い出だった。

2017年9月22日。東銀座にて。