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まだ見たことのない東京の風景を、カメラに収めながら歩く、東京散歩。
3年前に一度訪れた谷中へもう一度行こうというリクエストが多く、今回も秋晴れの週末、谷中からのんびりと歩いてきました。

JR山手線「日暮里」駅をスタート。すぐに谷中商店街「夕焼けだんだん」の坂の上から、賑わう谷中銀座商店街(ここにも銀座があるんですねぇ)を抜け、よみせ通り商店街を抜けて、「谷中」の地名のルーツと思われる谷の中のようなくねくねした小路、へび道と呼ばれている旧藍染川の通りを歩いて行きます。

ここにはかつて藍染川という川が流れていて、今は暗渠になっているくねくねした小路ですが、意外にも小物やさんや美容院などなど、こだわりのお店も軒を並べていて、散歩しながらお店をのぞいている人たちがあちこちにいます。でも、ここで生活している人には、ちょっと迷惑かも、そんなひっそりとした下町風情のある町です。

面白かったのは、最近、グッドデザイン大賞2018を受賞した「hanare」という町中ホテルがこのエリアにあるということ。そして古い旅館をリノベして海外からのツーリスト専門のB&Bのようなホテルを年老いたご夫婦が営んでいる宿など、かつての下町の中にもワールドワイドな、言い換えると、ローカルにグローバル=グローカルな町だということ。3年前にはまだこのような空気はなくて、谷中の商店街もどちらかと言うと巣鴨のおばあちゃんたちに近い客層だったのが、半分はインバウンドのツーリストだということを実感しました。

店内にふくろうのいるOWL CAFEなどを見ながらちょっと行くと、坂道が何本も続き、江戸時代の藩邸跡地の住宅街に出ます。谷の中の藍染川通りや不忍通りを真ん中に、東西に登る坂が延びる地形から、当然坂の上に地位の高い人の御屋敷跡があるわけで、このあたりは上野台地と呼ばれていたようです。中でも旧名「谷中真島町」というエリアは、真島藩(現在の岡山県真島郡)の下屋敷があったところで、藩主が三浦さんという方で、すぐ近くに三浦坂という名の坂があります。もちろん上野近くなので、このエリアにはお寺もたくさん存在しますが、大名時計博物館という一風変わった博物館もオススメ。江戸時代初期に作られた櫓時計や枕時計、印籠時計など、大きな時計が60点ほど展示されています。

三浦坂を戻るように下って、谷の中の不忍通りを超えると、すぐに根津神社。徳川御大将軍綱吉が祀ったとされる由緒ある神社、ということらしい。境内には大きな落葉樹が茂り、ちょうど紅葉に色づき始めた銀杏が秋の訪れを告げていました。

来週もまた来ますので、以降は続く。