最近、お寺や神社にカフェが続々とオープンしている。
ひと昔前ならちょっと似つかわしくない組み合わせだったが、最近はカフェ人気ということもあるせいか、境内にオシャレなカフェがあってもとても馴染んでいるので、昔からお茶屋さんでもあったかのようだ。
神楽坂の商店街を登りきり、早稲田通りも超えて坂を登り切るあたりに赤城神社がある。ここの境内に数年前にマンションができた。三井のパークホームだ。その1階にカフェがオープンしている。「あかぎカフェ」。神社もリノベーションして新しくなり、この辺り一帯が再開発で新しくなった。このマンションは長期借地権の分譲マンションで、通常の所有権に比べて割安ということもあったせいか、すぐに完売したらしい。神社の境内のマンションに住むという抵抗感もあっただろうが、割安感が強かったのと、全体の再開発と1階にはカフェもできるという合わせ技で人気を得たのだろう。
神社や寺は宗教法人で法人税は免除されている。そんな恩恵を受けながら長年の歴史の上に成り立ってきたが、どうやら最近は寺院の経営も大変のようだ。先日朝のJ-WAVEで恵比寿にある寺カフェを紹介していたが、番組の中でこの寺カフェを経営する川崎のお寺の住職が出演していてはっきりと言っていた。
「最近、お寺には人が来なくなっている。寄付や寄進も少なくて、経営面ではとても大変です。人が来ないなら出て行くしかないので、カフェを開きました。」と。
川崎の寺が恵比寿にまで進出してその名も「寺カフェ」を経営する時代になったのだ。カフェの収益は当然課税対象になるのだろうが、税金を払うほど利益が出ればいいのだが。
昨日、所用で西武池袋線の「椎名町」という駅前に立ち降りたら、駅のすぐ目の前に立派なお寺、金剛院があり、そこの開店したてのカフェ「なゆた」があった。お店のスタッフに聞くと、オーナーは住職ですとのこと。なゆたとは、なごみ、ゆったり、たのしくだったか、そんな思いを込めた名前だという。立派な会館の2回ではヨガやワークショップを開いていて、さながらイベントの場所貸しのような運営を行っている。先週はジャズナイトまであったらしい。
さてさて、そんな寺カフェばやり。精進料理は出てこないのが残念だが、総じて静かな雰囲気なので、日常使いには近くにあると便利だ。渋谷の事務所近くにも金王八幡神社、氷川神社があるので、ここでもカフェを開いてくれたら常連になるのだが。
2014年5月
Cover Photo:Yoshifumi Ogawa
Gallery Photo & Text:Hideo Moyazaki
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